馬は私たちが思っている以上に、たくさんの種類があります。
馬刺しになる馬は、一体どんな種類なのでしょうか。
また、馬刺しの有名どころといえば熊本と会津ですが・・・。
実は、熊本と会津では使われている馬の種類が違います。
そのため、それぞれの馬刺しの特徴も変わってくるんですよ。
こちらの記事では、馬刺しになる馬の種類とあわせて、熊本と会津の馬刺しの特徴をまとめています。
馬の年齢と、産地についてもご紹介していますよ。
馬刺しになる馬の種類
日本で肥育される馬は、大きく分けると次の4種類になります。
馬の種類
- 農用馬
- 競争馬
- 乗用馬
- 在来馬
この中で食用となっているのは「農用馬」です。
競走馬は、いかにも「負けたら馬刺し」といった印象がありますが、実際はないとは言わないまでも、主流ではありません。
農用馬は、さらに「重種馬」「軽種馬」に分かれます。
熊本の馬刺しは重種馬
馬刺し生産地の主流、熊本の馬刺しには、主に重種馬が使われています。
重種馬は、8,000~1,000kgにまで成長する大きな馬です。
この馬刺しの特徴は、サシ(霜降り)がきれいに入ること。
あっさりしつつも、甘みのある脂が特徴です。
馬刺しとして食べられる重種馬には、次の4品種があります。
- ブルトン
- ベルジャン(ベルジアン)
- ペルシュロン
- ペルブルジャン
順番に特徴をみていきましょう。
1.ブルトン
フランスのブルターニュ地方が原産。
強力な筋肉を持っていることが特徴。
体高は150~160cmほど。
糟毛、ブルーローン、栗毛の馬がいます。
2.ベルジャン(ベルジアン)
ベルギーのブラバント地方が原産。
このため、ブラバントとも呼ばれます。
体高は160~170cmほど。
栗毛や糟毛の馬がいます。
3.ペルシュロン
フランスのノルマンディーが原産。
足が短く、銅は太く、非常に力が強いことが特徴。
世界で最も大きい馬の原種とされ、体重は1トンほどになります。
青毛、芦毛の馬がいます。
4.ペルブルジャン
ペルシュロン、ブルトン、ベルジャンをかけあわせたもの。
霜降りのおいしさを追求して生産されました。
最高の肉用馬とされています。
会津の馬刺しは軽種馬
会津の馬刺しには、主に軽種馬が使われています。
よく耳にする競走馬の「サラブレッド」は、軽種馬に当たります。
軽種馬は、成長しても重種馬の半分ほどにしかなりません。
馬刺しの特徴は、脂身が少なく赤身であること。
とてもあっさりとした馬刺しが食べられます。
馬刺しになる馬の年齢
馬刺しとして加工されるとき、馬はだいたい何歳になっているのでしょうか?
一例として、こんな流れがあります。
馬肉加工までの流れ
- カナダで1~2歳まで育てる
- 日本へ生体輸入
- 日本で1年半~2年飼育したのち加工される
この例で考えると、加工するときの年齢はだいたい3~4歳であることが分かりますね。
実は、日本で生まれ育つ馬は非常に少なく、年間数百頭ほどしかいません。
馬刺し用の馬は、その多くがカナダ産なのです。
「でも、国産馬刺しってよく聞くけど?」
カナダ生まれでも、日本で肥育された期間の方が長ければ「国産」と表記されて販売されるのです。
さらには、「熊本馬刺し(カナダ産)」というのは非常に多くの商品で見受けられますよ。
単に加工値が熊本というだけで、その生まれはカナダということ。
こういった産地と加工地の違いは、なにも馬だけではなく魚介類などでも見て取ることができますね。
(気になる方はスーパーの鮮魚コーナーで細かく見てみてください)
カナダ産馬刺し表記になる馬は、↑の肥育状況よりも短い期間で出荷されるため、国産表記の馬よりも値段が安くなる傾向です。
年齢ももっと若い馬だと予測できるでしょう。
日本に流通している馬刺しはカナダ産が圧倒的に多い
種類や年齢とあわせて、産地についてもご紹介します。
食品全体に言えることですが、馬刺しも「国産の方がおいしそう」というイメージがありませんか?
実は、日本に流通している馬刺しは圧倒的に「カナダ産」が多いのです。
また、前述したように、カナダ生まれであっても日本で肥育した期間の方が長ければ「国産」と表記できます。
では、おいしい馬刺しはどうやって見分ければいいのでしょうか?
どんな牧場で肥育されたのか、ということを重要視しましょう。
例えば、馬肉の生産高日本一を誇る熊本の「菅乃屋」では、広大な自社牧場で馬を大切に育てています。
安全面でも、とても配慮されているので、安心して馬刺しをいただくことができます。
カナダ産であっても国産であっても、とても質のいい馬刺しが食べられますよ。
まとめ
熊本の馬刺しは重種馬で、霜降りがおいしい。
会津の馬刺しは軽種馬で、赤みがおいしい、ということが分かりましたね。
ぜひ、そのあたりも意識して馬刺しを選んでみてくださいね♪