なかでも熊本や会津が有名ですよね。
有名な場所では、やはり生産量も多くなっています。
しかし、生産量が多いといっても、最近は外国で生まれた馬を輸入してくることがほとんどなんですよ。
でも、「国産馬刺し」や「熊本馬刺し」ってよく聞きますよね。
一体どういうことなのでしょうか?
この記事で詳しくご紹介していきます。
生産量から見える馬刺しの有名産地はどこ?
馬刺し/馬肉の産地として、もっともメジャーなのは熊本ですよね。
それを裏付けるように、馬肉生産量は熊本県が群を抜いています。
農林水産省が実施している調査で「農用馬の地域別生産頭数の推移」というものがあります。
少し古いですが、2015年が最新の情報なので、それを基にみていきましょう。
馬肉生産量
- 1位:熊本県(2,316トン)
- 2位:福島県(1,107トン)
- 3位:青森県(529トン)
- 4位:福岡県(385トン)
- 5位:山梨県(263トン)
熊本県が予想を裏切らない1位!
やはり、他を寄せつけない圧倒的な生産量ですね。
熊本には、馬肉生産高日本一を誇る「菅乃屋」があるので、それも大きいですね。
2位は、同じく馬刺しで有名な会津のある福島県。
馬刺しの文化で有名な場所が、そのまま産地になっていると言えます。
馬肉消費量が多い県とは
馬刺しといえば熊本。
熊本では馬刺しの他にも、カレーや肉じゃがなどに日常的に馬肉を使う文化があります。
それを裏付けるように、消費量も他県より多いものとなっています。
下図は、牛豚鶏といったメジャーな肉以外の肉消費量を示したものです。
※「馬肉(さくら肉)、かも(合がも)、食用蛙すっぽん、もつ(レバー、はつ、まめ、がつ、ひも、ミノ)、がら、すじ肉、皮、タン、尾、足」など
馬肉だけに限った図ではないので、その他のデータが混ざっています。
北海道が真っ赤なのは、羊肉の消費量が多いからですね。
熊本が真っ赤になっているのは、当然馬刺しの消費ですね!
やはり、生産量が多い地域では消費量も多い結果となっています。
産地と言っても国内自給率は低い!?
日本における馬肉の産地は、熊本や福島だということが分かりました。
しかし、熊本や福島で加工された馬肉でも、国産であるとは限りません。
そして、国産とうたっていても、日本で産まれた馬は非常に少ないのです。
実は、日本で生まれて育つ馬は年間数百頭だけ。
外国で生まれた馬を生体輸入し、日本で肥育してから加工するというパターンが多くなっています。
要は、名産地といっても、加工地として盛んなだけなのですね。
この場合、国産/外国産の表記は次の条件によって変わります。
- 日本で肥育された期間のほうが長ければ「国産」
- 外国で肥育された期間のほうが長ければ「外国産」
日本で生まれて育つ純国産のものは少なく、輸入に頼っている状況なのです。
馬肉の輸入シェアが高い国とは
では、どこの国からの輸入が多くなっているのでしょうか?
馬肉の生産量でご紹介した農林水産省の資料に答えがあります。
ポイント
- 1位:カナダ(3,020トン)
- 2位:メキシコ(729トン)
- 3位:アルゼンチン(554トン)
カナダからの輸入が圧倒的に多いことが分かりますね。
馬肉生産高が日本一の菅乃屋の馬刺しも、カナダから生体輸入したものを自社牧場で大切に育てたもの。
菅乃屋では国産とカナダ産のどちらも販売されていますが、同じ環境、同じ飼料で肥育された一級品であることに変わりはありません。
肥育期間の長い方を産地として表示しているだけなんですね。
「国産の方が安心だし、味もよさそう」
そんなイメージを持ってしまいがちですが、どんな牧場で肥育され、どんな工場で加工されているのかということの方が重要なんですよ。
純粋な国産馬刺しは存在しない?
国産といっても、流通しているほとんどのものは外国生まれである馬肉。
では、熊本で生まれ育った馬肉はどうやって見分ければいいのでしょうか?
「熊本"産”馬刺し」という表記のもの。
これは、熊本生まれ・熊本育ちであることの証です。
この熊本産の馬肉は、かなり希少なので実質、手に入らないと見てよいでしょう。
また、ややこしいですが、「熊本馬刺し」とは違いますよ。
熊本馬刺しはそこら中にあふれかえっています(笑)
次のような表記がされている場合は、熊本生まれではありません。
注意ポイント
- 熊本馬刺し(原産地カナダ)
- 熊本から直送
- 肥育地熊本県
このような商品は、現在非常に多くなっています。
この表記の仕方は違法ではなく、外国生まれでも一定期間熊本で肥育した場合にはこのような形で販売されています。
ややこしいですが、「熊本」という言葉が入っていても熊本で生まれた馬というわけではないのです。
熊本で加工したカナダ産の馬刺しでも、熊本馬刺しと表記をしても問題がないのが現状のルールなのです。
まとめ
とてもおいしい馬刺しですが、産地の表示のされ方についてはちょっとややこしいですね。
産地である熊本でも、外国から輸入してきた馬を肥育していることは意外でした。
国産、外国産ということだけでなく、次の点も意識して馬刺しを購入したいものです。
ポイント
- どんな牧場で育ったのか
- どんな工場で加工されたのか
馬刺しは生ものですから、やはり信頼できる商品が一番ですね。