引退後の競走馬は馬刺しになる？研究に食肉加工…悲しい行方とは

「引退後の競走馬は馬刺しにされる」

そんな噂を聞いたことはありませんか？

結論から言うと、「競走馬が馬刺しになる可能性は限りなく低い」です。

では、引退後の競走馬は一体どうなるのでしょう・・・？

そこで今回は、引退後の競走馬の行き先についてまとめました。

 

 

引退後の競走馬のその後

引退後の競走馬の行き先は、主に以下の通りです。

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

1.繁殖馬（種馬）

競走成績が優秀で血統面でも優れた馬は、引退後に繁殖馬になる場合があります。

その名の通り、優秀な遺伝子のサラブレッドを生み出す為に多くの子孫を残します。

ただし、成績が良い馬でも繁殖馬になれるのは、ほんの一握り。

たとえ繁殖馬になれたとしても・・・

などの理由で、繁殖馬から外される馬も多いのです。

また、繁殖前にメス馬を興奮させるだけの「当て馬」という役割もあります。

2.地方競馬・障害飛越競技馬

輝かしい中央競馬の舞台を降りた後も、勝負の世界に残る馬もいます。

地方競馬や、障害物を乗り越えながら進む障害飛越競技馬としてレースで活躍するのです。

障害飛越競技馬は、現在オリンピック競技の種目にもなっています。

もしかすると、あの名馬の活躍を再びオリンピックで見る事ができるかもしれません。

しかし、いくら競馬が金になるからといって、そちらばかりアピールするのではなく、もっとメディア露出してくれてもいい気がしてなりませんね。

3.観光牧場・乗馬用

観光牧場や乗馬用の馬として、余生を過ごす馬もいます。

厳しい訓練や勝負の世界から離れた、穏やかなセカンドライフです。

しかし、そんな幸せな余生をずっと過ごせる馬は、本当にごく僅かなのです。

理由は、次の「屠殺」でお話ししましょう。

4.屠殺

屠殺（とさつ）とは、食用・飼料用に殺されることです。

競走馬は肉が硬く食用には向かないので、すぐには屠殺はされません。

強靭な筋肉を落とす為、乗馬用に一定期間飼育してからその時を待ちます。

そして残念ながら、競走馬の引退後の運命で一番多いのは、この屠殺です。

「中央競馬は引退後に屠殺されない」とされていますが・・・

引退後の行き先が乗馬用になっている馬は、暗黙の了解でそういう事のようです。

すぐに殺されないというだけのことですね。

5.研究馬

研究馬は、主に「JRA競走馬総合研究所」に引き渡されます。

競走馬が速く走る仕組みの研究・故障や疫病の対策など、競走馬の未来を作る研究に役立てられます。

聞こえは良いですが、要するに実験動物です。

時には辛く苦しい、過酷な状況に耐えねばなりません。

屠殺された競走馬は馬刺しになる？

「負けたら馬刺し」というフレーズがありますが、実は嘘。

競走馬の肉質は筋肉質で硬く、馬刺しには不向きなのです。

その為、馬刺しとしての流通があったとしても、ごく僅かと思われます。

食肉に関しては、ソーセージやニューコンミートなどの加工肉が主です。

また、ペットフードなどの動物の餌や畑の肥料としても加工されます。

食肉加工以外だと、馬油入りの化粧品などが有名ですよね。

馬を使用した加工品は、意識してみると私たちの日常に溢れているのです。

多くの競走馬が「行き先不明」の闇

「競走馬が牧場に移ってセカンドライフ」は聞こえが良いですよね。

実は、それがハッピーエンドとは限りません。

中には牧場を転々として名を無くし、人知れず屠殺された名馬も・・・

もちろん、最後までしっかりと面倒を見てくれるオーナーもいます。

悲しい事に、馬は愛玩動物ではなく経済動物。

利益を生まない経済動物を、膨大な費用をかけて飼育するのは難しい事なのです。

しかし、近年では「サンクスホースプロジェクト」など、引退馬に寄り添った取り組みも広がっています。

興味のある方は、少額からでもぜひ支援してみてはいかがでしょうか。

 

 

まとめ

引退後の競走馬は、多くが食肉加工される運命でした。

しかし、馬刺しになる競走馬はほぼいないと考えて良いでしょう。

私たちが競走馬を口にしているとしたら、馬刺しではなく加工肉の可能性が高いですね。

まぁ馬にとっては、どちらでも同じ話ですが・・・